ハナショウブ(花菖蒲)について

ハナショウブ(花菖蒲)は日本全国に分布する野花菖蒲の園芸種です。
いつ頃から品種改良が行われたのか定かではありませんが、平安時代の文献からその名前が確認できるため、かなり長い歴史がある事が伺えます。
毎年六月ごろに咲き出す為、古くから梅雨の到来や稲作の時期の指標としての役目も果たしてきたと言われます。

なお、本種の栽培が盛んに行われたのは江戸時代に入ってからで、この時期に完成された品種などが、現在の栽培品種の礎となったそうです。

毒性について

全草・根茎・樹液にイリジェニン、イリジン、テクトリジンの有毒成分を含みます。
誤って摂取した場合、皮膚炎、嘔吐、下痢、胃腸炎などの症状を引き起こします。

主な種類

江戸系
江戸時代、江戸で盛んに栽培された品種郡です。
特に松平定朝(安永3年(1773年)-安政3年7月8日(1856年8月8日))が改良された品種が有名です。
肥後系
肥後熊本藩主 細川斉護が上記の松平定朝のところに弟子入りさせ譲り受けたものが、現在までさらに改良が行われた品種。
伊勢系
徳川紀州藩士の吉井定五郎(安永5年(1776年)-)により独自に品種改良された品種群。
長井古種
山形県長井市で栽培されてきた品種群です。上記の三系統のいずれにも属しない品種で、より原種に近いと言われます。

近縁種

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